精神的に極めて安定しているとき、私は陰謀論にもハマらないし、誰かに敵意を持つこともなければ、被害妄想を持つこともない。

しかしこれが極めて高ストレスにある場合はどうなるか。

例えば、アパートの近くでは信号がピッポーと四六時中うるさく鳴り響き、親からの仕送りの金額も極めて少なく、睡眠もちゃんととれない、といった具合である。

こういうとき、私は徐々に頭がおかしくなるようになる。まず音に対する過敏性が増す。足音や人の声を過剰にうるさいと思うようになる。

そうして段階が進むと、それらの音が「嫌がらせ」に思えるようになる。

これがさらに進むと、「嫌がらせ」が「組織集団」によって行われているかのように思えてくるわけである。

思考の深い部分では「それはただの被害妄想だ」と言っているのがわかるが、ストレスで思考力が徐々に奪われると、非常に浅い、本能的部分で判断するようになるのである。

このことがわかると、世間で事件を起こす人の「状況」を考慮するべきであって「個性に完全な原因がある」といった言説は問題の半分しか見ていないことを理解できる。これは一般に、根本的な帰属の誤りと呼ばれる。