ポアンカレ予想を証明したペレルマンは、その謙虚さの点でも尊敬している。

彼は政治が特に嫌いであったらしい。実はここが共感する点だ。

世の中には、普遍的数学とは程遠い泥臭い政治の話で埋め尽くされている。

いくら経済が数学的に分析できるといっても、それはせいぜいミクロ経済学の範疇の話だ。

マクロになると、パレート最適性について議論しない限り、誰の利益になるかということを数の論理で解決する世界だ。

もっと深刻なレベルになると、誰もが損する政策をやり始めたりする。

このような泥臭い世界とは無縁な純粋数学はユートピアと言える。

しかし数学でさえ、学会の政治性を見抜いたペレルマンは、もっと引きこもった生活に移行したようだ。

ABC予想の証明、といったものがポストモダニズムにならないことを祈りたい。